メイン♪(短)
□怖い本
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「お、おもしろそうだったから・・・でも一人で読んでたら怖くなってきちゃって・・・」
未だに半泣きでうつむき加減でボソボソと喋る彼女は
いつもより、幼く弱々しく見える。
「馬鹿らしい。こんなことで怖がるんじゃない」
慰めるように言う
「だって・・・まさかこんなに怖いなんて思ってなかったんだもん」
「なら、これは私が預かっておいてやるから」
「えっ!!それはダメ!!!」
ぎょっとした顔をで亜里沙が私を止める。
「なんでだ?」
「だって・・・その本持ってるだけで呪いがあるんだよ?・・・先生が持ってたら危ないよ!!」
・・・・・。
真面目に私を止める亜里沙。
「何を言ってる。大丈夫だ」
こんなもんよりも怖いものなんか世の中にはごまんとある。
だが亜里沙は納得せず。
「ダメです!私が借りたんだから私が持っておきます!!」
「それじゃぁお前さんが呪われちまうんじゃないのか?」
からかうつもりで言ったのだが
なんと亜里沙は
「っ!!こっ、怖いですけど、先生が呪われちゃうよりはマシなんです!!!」
震えながらもしっかりとそう言い放った。
「・・・・・」
予想外すぎる暖かい答えに言葉を失う。
怯えながらも、震えながらも
私のことを考え、気遣って
なんとか守ろうとするその姿はとても可愛らしかった
「そっ、そういうわけなんでこれは私が持っていきます!」
震える手を伸ばして私から本をとる