メイン♪(長編)【その包帯を風に乗せ】
□謎
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あの女だと…?
な、バカな!!瀕死のハズだぞ?!
「…っな…!!」
驚きすぎてものが言えない俺を尻目に
女は勝手に家の中を歩き回りだした。
「てか、暗くね?電気ないの?」
しかも普通に話しはじめた。
「おい、待て!!なんで歩いてんだ?!」
やっと頭を回転させ出た言葉その一言。
「へ?」
その俺の一言に間抜けな声で女は振り返った。
「…知らなーい。なんか多少しびれてるけど歩けるから?」
さっきまでの暗い雰囲気を一瞬で驚きと言うショックで追い払った女はそのまま続けて
「てか、く・ら・い!!電気は?!」
「…」
「電気!!」
「あ…そこの扉の左側…あぁそこだ」
カチッ
一気に室内が明るくなった。
「よし、やっぱこれくらい明るくなくっちゃね」
「…お前、何で…いや、…あ、お前名前は…?」
とりあえず未だパニックに近い頭を動かして聞いてみると、
「ん?あ、名前?亜里沙!…らしいよ♪?」
らしい…?
ダメダ。何かひとつでも謎を解明しようと思い質問しても逆に謎が帰ってくる始末だ。
「あぁ…亜里沙、とりあえず話を聞かせてもらっていいか…?」
「いいけど…。お腹すいた。」
「…」
なにやら拾ったものは予想以上にめんどくさいものかもしれん。
とりあえず、お腹すいた!を連呼し始めた女になんか食わすため(なんで俺がこんなことを)俺は嫌々台所へと向かった。