メイン♪(長編)【その包帯を風に乗せ】
□包帯
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次の日。
「キリコ〜!ワイヤーある?」
「ワイヤー?」
「あったら欲しい」
倉庫見てみろ。そういわれたので倉庫に行ってみる。
「埃くさい!!」
埃と戦いながら目当てのワイヤーを探す。
見つけた。
しかも極細。
これぞあたしの求めていたワイヤー。
そのワイヤーを欲しいだけ切って部屋に持っていく。
そしてそれを新しい長めの包帯に入れていく。
そうして出来上がった、一見ただの包帯だが、中にワイヤーをいれた包帯を首に巻く。
包帯が長くて背中まで垂れたがまぁいいだろう。
これで完成!
やはり、あたしは自分がどういう者かまだ分からないから、危険性に備えて常に武器を所持しておくべきだと考え、
昨日、成り行きで使った包帯鞭がしっくりきていたから昨日の夜これを考え付いたのだった。
スタイル的には怪しいが、武器としてはなかなかかっこいい。
早速キリコに見せる。
「キリコ〜!見てみて!!」
「なんだそりゃ」
「まぁかくかくしかじかなんですよ」
「・・・・そんなもんがいるのか?」
「もしもの時のためだよ」
「そんなときは俺がなんとかしてやる」
「・・・キリコやユリさんを守るときのためさ」
「それで亜里沙が怪我とかしたらどうする。ふざけんな」
「そんときは治して」
気楽にいうと、調子乗るな、と軽く頭をはたかれた。
自分が何かなんて知らない。
でも、あたしはキリコを、ユリさんを守ってみせる。
それは昨日決心したんだ。
大切な人は自分で守る。
その包帯を風に乗せ
大切な者を守り通せ。