メイン♪(曲)
□謎謎
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ただの『お友達』は彼女の内面はわからない。
いや、きっと彼女以外の誰にもわからない。
でも、・・・
「内側ってことは外側ってのもあるんだろう?
確かに私にはお前さんの内側はわからない
お前さんは自分の外側を知らない。
おたがい、半分しかわからんのだろう?」
そう言うと亜里沙はキョトンとした顔で
「・・・そうか、そういう考えもあるのか」
と言った。
それから彼女は黙り込みうつむいた。
私の角度からは彼女の顔はみえない。
だがわずかに見える口元は笑っているようだった。
自分に綺麗な部分があるということが嬉しいらしい。
あぁ、彼女はなんと不器用で、寂しく、弱いののだろう。
今なら、この気持ちを言える、気がする。
「少なくとも私はお前さんの『半分』をとても大切だと思うよ」
私がそう言うと彼女はえっ、と言って私を見てきた。
「神崎亜里沙の全ては私にはわからんのだろう。だが、それでも私は
亜里沙を愛してる」
こんなにも暖かな気持ちを、味わうことは二度とないと思っていたのに、
そんな私をお前さんは変えたんだ。
この想いが叶ってほしいと思う前に、届いてほしいと思った。
少なくとも、ここに一人。
お前さんを愛してやまない人物がいるんだよ、ということを。
彼女は息を呑んで、
「・・・・それ、本気で言ってる?」
と聞いてきた。