鴻門之会
□魔物退治編
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とある日の沛公の城。
仕事部屋では様々な書類が机の上に置いてあり、張良・樊カイ・沛公は黙々と書類に向かっていた。
のだが………。
沛「あぁ〜〜〜〜。」
樊「………。」
張「………。」
どうやら、沛公の集中力は切れたようだ。
沛「あぁ〜〜〜〜〜「うるさいです。(樊」ぐはっ!!」
そんな沛公の頭をグッと掴んだ樊カイは、そのまま机に沛公の頭を叩きつけた。
樊「さっきから何ですか?バカなんですか?」
張「樊カイ、それ以上やると机に沛公様の顔がめり込みますよ。
と言うより、すでにめり込んでます。」
2人の方を見ずに書類をトントンとまとめる張良。
樊「次は壁にやりますよ。」
沛「すみませんでした。」
手を離した樊カイに、沛公は頭を上げずにすぐ謝罪の言葉を口にした。
そんな2人を横目にトントンとまた別の書類をまとめる張良は、まとめた書類を机の端に置くと、身体を半回転させ沛公に視線を向けた。
張「それで沛公様、何か言いたい事でもあったのですか?」
沛「そうそう、これ何だけど…。」
その言葉に、沛公はペラっと手元にある資料の一枚をつまみ上げ2人に見せる。
張「その”依頼書”がどうかしました?」
沛「これによると、近頃この辺の森で魔物が目撃されてるみたいなんだよね。」
樊「魔物……。」
張「それは厄介ですね……。
街まで下りて来る前に、早々に手を打たないと……。」
沛「でもよぉ、今動ける魔導師で適任者がいない。
なので!俺達で行こうぜっ!!」
イスから立ち上がり、ガッツポーズをしたがら言った沛公に対し、
張「………”達”ですか?」
樊「………1人でいったらどーです?」
巻き込むなオーラを放つ部下2人。
沛「そこは乗ろうよ!じゃないと話しが進まない!!」
机から身を乗り出して言う沛公に、張良と樊カイは”しょうがない”というような顔をして
張「わかりました、行きましょう。」
樊「はぁ。」
森に行くことを承諾した。
沛「よし!じゃあさっそく準備だ!!」
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ーーー
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同時刻 項王の城
仕事部屋では休憩中のようで、皆でお茶を飲んでいた
そんな中、項荘が思い出したようにある話し始めた
荘「そーいや、知ってます?」
王「何が?」
荘「最近、沛公さん側の森の近くで魔物の目撃情報が多いらしいっスよ?」
范「魔物か……。」
王「へぇ〜。
こっちには無いの?目撃情報。」
范「今の所ないですね。」
王「なぁんだ、つまんないの。」
荘「ないほうがいいじゃないッスか〜。」
そう言って苦笑いしながらお菓子に手を伸ばす項荘
項王は湯のみを手に取りると、その中のお茶を数秒見つめた
そして、何か思いついたようでお茶を飲まずに湯のみを机に戻し、こう言い出した
王「そ〜だ!
僕達も行ってみよう、その森に。」
范「…本気ですか?」
王「もちろん。
まぁ、ピクニックがてらにさ。
一緒に来てくれるよね?范増。」
”范増”と名前を言われた瞬間、”え?マジで?”と言うめんどくさそうな目の色が変わった
范「勿論です。」
荘「あれ?あんまり乗り気じゃないんじゃ…?」
范「何言ってる。項王様が直々に誘って下さったんだ。行くに決まってんだろうが。さっさと準備するぞ。」
荘「は〜い。」
席を立つ2人に項王は声をかけた
王「それと、森に行くまえに寄りたい所があるんだ。」