鴻門之会

□突撃!双子のお宅訪問
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皆が寝静まった頃、どこか気品溢れるあるお屋敷に忍び込む2つの影。
正面……ではなく、裏に回ると扉を見つけ、針金を鍵穴に入れ数回小刻みに動かす。
ガチャと音がし、キィ……と静かに裏口の扉を開けると2人は屋敷の中に足を踏み入れ、

「「侵入せいこーう。」」

2人-風と雷-はニシッと口角を上げ、廊下を歩き出した。

風「にしても、思った通り金持ちそう。」

雷「見た目(外見)からしてオーラあったしね。」

「「お宝あるかなー♪」」

そんなことを言いながら「どこから行こうか」と廊下を歩く。

雷「やっぱ、オーソドックスに地下とか?」

風「いや、隠し扉があったりするかも。」

?「残念、どちらもないよ。」

「「無いってー。」」

2人で顔を合わせ「残念」と笑い合う。しかし、「ちょっと待てよ……」と2人は固まった。

今の男の声、風では確実にないし、雷よりも低く大人びている。なにより”後ろから”聞こえてきた。

「「…………。」」

チラッと後ろを少し振り返ると・・・

呂「こんな夜中に子どもが何の用だい?」

この屋敷の主、呂馬童が手にランプを持って立っていた。

「「………こんばんはー。《やっちゃった☆》」」

冷や汗をかきながら呂馬童の方に体を向けニコッと笑いながら挨拶をした双子に、呂馬童も微笑む。
呂「こんばんは。それで、何の用だい?」

……目は笑っていないが。

雷「そ、それがオレ達こっちに引っ越してきたばっかりで。」

風「遊んでたら暗くなっちゃって、帰り道わかんなくなって……。」

呂「それで、ここに迷い込んだ。」

呂馬童の言葉を肯定するように、双子は首を縦に大きく振る。

呂「だったら正面の扉から声をかけてくれればいいだろう?」

「「滅相もない!!」」

風「あんな気品溢れる扉触れないって!」

雷「だから裏に回ってみたら扉が開いてて……。」

《《って流石に無理あるよー!》》

呂「……なるほど。」

流石にバレたか?と焦る双子。しかし、呂馬童は「フッ」と軽く笑うと、

呂「わかっているじゃないか。」

「「へ?」」

呂「気品溢れる扉、美しく花が咲いた庭。そう、この屋敷全てが気品と美しさに溢れている。フッフ、何故かって?」

「「いや、聞いてない。」」

呂「それは!この主である私が美しいからさ!!」

左手を胸に当てながら、堂々と宣言した背景に効果音があるのなら、「ドーーン!!」というのがお似合いだろう。

《《あ、コイツめんどくさい。》》

出会って5分のことだった


呂「あぁ、暗いのが残念だ。昼間の明るい時ならば私の美しさを鮮明に見せることが出来たのに。しかし、暗闇を照らすこのランプ1つだけだとしても、私の美しさは変わらない。いや、反対に微かな光だからこそ分かる「「おにーさん!!」」

そのまま始まった呂馬童のマシンガントークを無理やり遮った双子は

雷「オレ達、この屋敷冒険したい!」

風「綺麗な物見たい!迷惑かけないように静かにするから!」

「お願い!」と両手を合わせ、呂馬童に頼み込む。

呂「……そうかい。だったら私が案内してあげよう。」

「「やったー!」」

呂「では、ついておいで。私のコレクションを見せてあげよう。」

「「わーい!」」
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