鴻門之会

□四面楚歌
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項王の城


三日月が綺麗に夜に
廊下に響く2人の足音



ギュルルル〜

腹の虫の音


荘「はぁ…、腹へったぁ。」

音の持ち主である項荘は腹を押さえながらボヤく

その言葉を隣で聞いていた范増は、項荘の方を見づに口を開いた


范「こんな時に何言ってる。外を見てみろ。

ちっ!あいつら歌なんか歌ってやがる。」


廊下のから微かに見える外では沛公軍の兵士たちは既に勝利を確信しているのか、陽気に歌を歌っていた

その様子を見た范増は舌打ちをし悪態をつく


荘「わかってますよ。
でも、しょーがないじゃないッスか。
食糧がもうすぐ底をつくからって、全然食べてないんスから。
腹減って魔力も安定しないし…。

范増さんは腹減んないんスか?」

范「だから今から飯を食べるんだろうが。
それに、俺は腹が減っていてもお前みないに(グ〜)……。」


先ほどより音は小さいが、確かに聞こえた腹の音


荘「…………ぷっ。」


数秒の沈黙を破ったのは項荘だった
笑うのを我慢できなかったのだろう

が、それが彼をさらに苛つかせたようで


范「………イラッ」


次の瞬間


荘「ヘブラッ!!」


項荘は数メートル飛び…


床と仲良くチュー


范「はっ…。」


そして少しスッキリしたのか、范増は鼻で笑う

数メートル先の項荘は勢いよく上半身を起き上がらせると声を上げた


荘「………っいってぇぇえ!
殴んなくても良いじゃないっス「うるせぇ」……はい。
って、先に行かないで下さいよ〜!」


殴られ、言葉の途中で遮られ、しかも置き去り……

哀れである
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