鴻門之会

□突撃!双子のお宅訪問
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呂「さぁ、この部屋だよ。」

呂馬童の後をついて歩き、たどり着い1つの部屋。
扉を開け部屋に入ると、中は広く、そこには壺やら楽器やらとどれも高そうな物が置いてあった。

雷「ねぇ、お兄さん。この中で”一番貴重な物”ってどれ?」

呂「そうだね……。あちらにある絵画かな。」

雷の問に、扉の向かいにある窓の側にある絵を指差したそれは、布が被されており、何が絵描かれているかは分からないが。

風「へぇー。どんな絵なの?」

呂「とても美しい絵だよ。」

そういって呂馬童は微笑んだ。

風「ふーん………。 ねぇお兄さん、トイレ行きたい。」

呂「ん?それなら、この部屋を出て右に真っ直ぐ行くと左側にあるよ。」

風「ありがとー。」

風は部屋を出ようと扉のドアノブに手をかける。が・・・

風「あれ?」

ガチャガチャと音をならす風に、置物を見ていた雷が声をかけた。

雷「風、どーした?」

風「開かない。」

風の言葉に雷も扉に近づきドアノブを捻るが、

雷「本当だ。」

風の言うとおり開かない。

呂「泥棒は感心しないな。」

すると、後ろから聞こえた呂馬童の声に2人が振り向くと、腕を組み真剣な顔で2人を見ていた。

雷「へぇー、わかってたんだ。オレ達のこと。」

風「まんまと嵌められたらって訳か。アタシ達は。」

呂「君たちが入ってきた扉の鍵は壊れてしまって、鍵代わりの物……針金か何かで意図的に開けないと開くことはない。普段、あの扉は使わないからね。この屋敷の人間が開けることはないんだよ。
何より、子どもが”そんなもの”を持っているのは不自然だろう?」

”そんなもの”
それは、2人の服の隙間から微かにみえるナイフをしまうための袋だ。

風「あははっ、ぜーんぶわかってたのか。」

雷「本当、話しが良すぎるとは思ってたけど。」

腕を頭の後ろで組み笑う風と、手を腰にあて「だよねー」と笑う雷。
すると・・・

トスッ

と、風の足元に一本の薔薇が突き刺さった。

風「薔薇?」

雷「薔薇だね。」

首を傾げる2人に、

呂「[緑拘]」

呂馬童がボソリと唱えると

風「うお!?」

薔薇からトゲがついているツルが伸び、一瞬でグルグルと風を縛り付けた。

雷「風!?」

呂「こういったことが初めてではなさそうだが、子どもが盗賊のような真似してはいけないよ。」

諭すような口調で呂馬童がそういうと

ピリッ

風「真似?」

呂馬童の言葉に風はボソッと呟く。

ピリッ ピリッ

そして、風の体から微弱の電磁波が漏れ出した。

雷「ちょっ、待った!!」

風の様子に、雷が焦った声を上げるが

風「どいつもこいつも、アタシたちをそこいらのガキと……。」

ピリッピリッ……ビリッ!

風「一緒にすんな!!」

風は体内の魔力を勢いよく放出し、電磁波でツルを焼き切った。
ツルが無くなったことと、魔力を一気に放出したことで風はベチャと尻餅を付くように倒れる。

雷「もー。またムチャして。」

風「あははっ。すまんねー。」

雷は手を膝に置き風の頭にポンと右手を置くと、風は笑いながら謝った

すると

呂「[花痺]」

突如、黄色い粉のような物が2人に降り注ぎ始めた。

風「何?っ!?あ、足がっ!ずっと座ってた時みたいに痺れるー!!」

その黄色い粉が着き、痺れ出す足を風は「っうぉーー!」と悶絶しながら押さる。
雷も「っうーー!」と痺れを感じながらも

雷「っこの粉か。だったから……、」

この降り注ぐ黄色い粉が原因だと分かると

雷「吹っ飛ばす!!」

右手を左から右にバッと動かし、強い風を起こして粉を吹き飛ばした。
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