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□散りゆく
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「そんなことないねぇ」
「そうだねぇ
少なくとも桃は喜ぶだろうねぇ」
桃花・ブロッサムはきっと
黒鳥さんがようやく決めたこと自体が嬉しいだろうに
「……そうかな?」
「絶対そうだねぇ」
「それに誰に反対されようが関係ないねぇ」
なにせ黒鳥さんの祖母は『愛の魔女ティカ』
自分の愛を貫くという意味では遺伝的なものもあるのだ
ふと前方を見ると
奴の姿が見えた
「あぁ
今日はもうお別れだねぇ」
「え?」
どうやらまだ彼女は気づいていないらしい
まあすぐになんのことか分かるだろうけども
奴はどうやらこちらに気がついたらしく勢いよく走ってきた
「黒鳥ー!」
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