short3

□そんな君が好きなんだ
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世の中何があるのかわかったもんじゃないよとあたしの幼なじみは言うけれど
そんな幼なじみがあたしには良く分からない
彼女の白いほっぺたをふにふにとつつきながら考えてみる



「いや、メグ何やってるんですか」



チョコには白い目で見られたけど気にせずにその肌をさわり続ける
そりゃあたしの方が断然綺麗だけどチョコのお肌もスベスベで触るのをやめるタイミングが掴めない



「こうしてたら分かるかなぁって思って」



「え、何がですか?」



「それは、秘密だよ」



いえる訳ないじゃん
大切な大切な幼なじみだもん
余計なこと言って心配させたくない
ましてやこんなこと言ってもチョコが困るだけだし


ほかの子には普通言えることもチョコに言う前はちょっとだけ悩むっていうのにも最近気付いた
やっとのことで絞り出した言葉ですらチョコはたまに苦い顔するけど



「チョコはさぁ、どんな人ならいいの」



「何の話ですか一体」



「恋人にするなら、どんな人?」



「珍しいですね、メグがあたしにそんな話をするなんて」



「たまにはいいじゃん」



「そうですね……、」



ほんの少しのハズの答えるまでの間がひどく長い
何だかドキドキして暑いわけでもないのに変な汗が出てくる
自分から話をふっておいてこんなにも胸が痛くなるなんて考えてもみなかった


――どうしてそうなるのかはさすがに気付いてるよ
ただあたしがその事実を上手く受け入れることができないだけで



「優しい人がいいです」



答えはひどく曖昧でガッカリしたと同時に安心した
“優しい人”はあたしからは程遠いけど同時に希望も捨てきれない



“優しい男の子”と答えられなかっただけあたしは救われたのかもしれないし
余計に目の前の女の子に囚われたのかもしれない



――ズルいなぁチョコは


口には決して出さずに心の中で呟く



――諦めることすら、許してくれないんだもの




そんなところでさえ君の魅力


(いい加減みとめなきゃなぁ、)





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