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□傍観者は語る
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証言者Ｉの場合
えっと東海寺くんと黒鳥さんの事ですよね
一路さんから桜都さんに協力するよう言われてますので
僕の知っている限りですがお力になれたらと思います
皆さんも知っての通り、東海寺くんは麻倉くんと共に黒鳥さんにアタックしていますよね
個人的にはあの精神力を見習いたいのですが、今は置いておきましょう
でもあの二人だっていつも揃って迫ってる訳じゃないんです
もともと仲の悪い二人ですから会えば必ず喧嘩になるのですが
黒鳥さんと邪魔が入らず二人きりの時はもう少し大人な対応を見せるときもあるんです
例えば授業中、隣同士で音読しあったりするときなんかはとても優しい目で黒鳥さんを眺めていることがあります
いつもこうならこのクラスももっと平和なんですけどね
――ああ、そうでしたね
それに対しての黒鳥さんの反応はないというかそもそも気付いてないんだと思いますが
代わりに彼女はその視線に素直な気持ちが表れています
黒鳥さんは東海寺くんが見てないスキを狙って横顔を覗き見てるんですよ
何というか、すごく微笑ましくなりませんか？
東海寺くんが黒鳥さんの方を見るので慌てて視線を逸らす姿は
全く関係ない僕でも可愛らしく思うくらいですから、きっと東海寺くんなら尚更だと思うのですが
残念なことに彼は黒鳥さんの一連の行動に気付いてないみたいなんです
そこを含めて可愛らしい二人だと思いませんか？
あ、すいません
僕は一路さんから頼まれたことがありますので失礼します
――内容ですか？
日向くんが今日飼育当番なので気合い入れをしてないか見張るようにとのことです
最近鶏たちが怯えていると藍川さんが言っていたみたいですし
――僕と一路さんについてですか？
それについてはまた後日来ていただけたら嬉しいです
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