short3

□全ては君次第
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「………本気でそう言ってるの?」



そう言った黒鳥の声が余りにも暗くて驚く
さっきまで呆れつつも結構楽しそうだったのにいきなりどうしたんだろう



「本気ならあたし東海寺くんのこと嫌いになりそうです」



嫌いになりそうってことは今は嫌いじゃないってことかとかそういう事を考えているヒマはなくて
どういうことなの?
俺そんなにダメなこと言っちゃったかな
一瞬にして急降下した黒鳥の機嫌に慌てふためく俺を見て
黒鳥は小さくつけ加えた



「せっかく守ってもらっても、そこに東海寺くんがいないと意味がないです」



ちょ、ちょっと待ってよ
一旦整理させて
それってさ黒鳥は俺にいてほしいってこと?
一人置いて死ぬなってことだよね
だからそんなに機嫌悪いの?


自分の言ったことが急に恥ずかしくなったのか真っ赤になって走り去ろうとする彼女の腕をつかんだ



「……っ放してよ!」



「やだよ」



「……放さないと嫌いになる!」



「いいよ別に
俺は好きだから」



その言葉に観念したのか
ぴたっと大人しくなった黒鳥
こっち向いてくれないけど耳が真っ赤だよ



「東海寺くんってばホント何なの」



「黒鳥の将来のパートナー」



「あたし、なるって言ったことないけど」



「だって何だかんだ黒鳥はなってくれるでしょ?」



「……さあね」



きっぱりとした拒絶がない辺り
もしかしたら俺の想いが届く日は近いのかもしれない


とりあえず格好悪いけど前言撤回だ
俺は黒鳥を守りながらずっと隣で生きていけたらいい
こんな可愛い子残して死ねるもんか








私の為に死ねるなら私の為に生きて






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