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□正解なんて分からない
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「ちょっ……黒鳥!?」
慌てて追いかけようとしたら美珠亜に手を掴まれた
「おい……美珠亜」
「……ごめんなさい東海寺くん
あたし分かってたの」
何をとは聞かない
何でだよとも聞かない
「だけどっ……」
その続きは聞かなくても分かるから
「ごめん美珠亜
だけど俺だってきっと同じだよ」
そう言って静かに美珠亜の手を振り解いた
罪悪感はある
むしろこれでいいのかとしか思わない
俺は美珠亜を傷つけているんだとも分かっている
「待って東海寺くんっ!!」
でもごめん
俺が大切にしたい女の子は君じゃない
最低なのは分かっている
だけど例え受け入れられないとしても俺は
――黒鳥だけを大切にしたいんだよ
その思いを胸に俺は黒鳥が向かった方向へ走り出した
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