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□限られた選択肢
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「あ、大形くんおはよう」



桃花ブロッサムと家を出るとそこには隣人の姿があった
僕のクラスメイトにして本来の僕を知っている人間



「黒鳥さんおはようだねぇ」



「お姉ちゃんっおはようございます!」



僕らは三人で学校に向かう
その目的が僕の監視だとしても
なんだか、微笑ましい

落ち着くと言うか安心すると言うか
最初は今まで感じたことのなかった感情に驚いたけど
僕は甘んじてそれを受け入れている



「なんだか、楽しいですね」



どうやら桃花ブロッサムも同じ事を考えていたようで
それすらも微笑ましい



「不謹慎ですけど、このまま三人だけでどこかへ行けたらいいですね」


ギュービッド先輩に怒られちゃいそうですけど



と言った桃花ブロッサムに対して珍しく黒鳥さんが反論した



「ダメだよ桃花ちゃんそんな事言っちゃ」



「え、お姉ちゃんは楽しくないんですか?」



「楽しいよ、楽しいんだけど……」



「黒鳥さんは、素直じゃないんだねぇ」

「そうだねぇ楽しくない訳じゃなくて他にも大切な人がいるって言えばいいんだねぇ」



「え?お兄ちゃんそれどういう事ですか」



「桃は知らないのかねぇ」

「おっくれてるぅだねぇ」



「はい知らないです教えてください」



「分かったねぇ、じつは黒鳥さんは……「ストップ大形くん!!」」



「何ですかお姉ちゃん」



「桃花ちゃんには後で教えるからっ!!」



「……分かりましたお姉ちゃん
約束ですよ」



そう言って桃花ブロッサムは自分の教室の方へ走り去った



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