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□黒魔女さんと愉快な仲間たち
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葉月くん+チョコ



――あぁ最悪です


今日は別フレの発売日
只今黒鳥千代子はマンガが早く読みたくて仕方ないギュービッド様にこき使われ
近くの本屋さんまで買い物に行かされています



そんなに早く読みたいんならあたしが学校に行っている間にママに買わせればいいのに
なんでこんなに暗くなってから買いに行かせるかな……

ていうかこの道街灯が少なくてなんというかその……
怖い



とにかく早く買って帰ろうと思いながら速歩きしてると




目の前にいきなり人型の何かが現れた





「わーっ!!」



どうしよう
あたしついに本物見ちゃった!?
ギュービッドさまは“霊なんていない”っていつも言ってるけどやっぱり本物はいるんだ!?




「落ち着いてよ黒鳥さん」



あれ?
本物の幽霊さんがあたしの名前知ってる?
そういえばそのボサボサのほうれん草頭どこかでみたような………




「もしかして葉月星夜くん!?」



「うんそうだよ」



何だかほっとしたような申し訳ないような複雑な気分です




「黒鳥さんこんな所で何してるの?」



「えっと……」



まさか、性悪黒魔女にパシられていますとは言えず




それにしても
あたし星夜くんとまともに話したのはじめてだよ
基本的にあたしは人と関わりたくないし
星夜くんは昼間学校では寝てるからね


正直いって気まずいです




「もしかして黒鳥さんも星を見に外へ?」



「あ、えっと、まあそんな所かな」



「黒鳥さんも星とか好きなの!?」



新発見です
寝てない星夜くんはものすごく喋ります



「星夜くんほどじゃないけどまあまあ好きだよ」



まあ、星空が嫌いな人はいませんしね
それに黒魔女さんといえばやっぱり星が輝く夜のイメージですから




「良かったら黒鳥さんも一緒に来ない?」



――そのお誘いは嬉しいんですが
あたしは本屋に別フレ買いに行かなきゃいけないんだよね



「あ、でも黒鳥さんも女の子だし危ないよね」



わっ星夜くんって案外紳士なんだね
今まで知らなかったのはちょっと勿体なかったよ




「でも星夜くんも危ないんじゃ……」




「大丈夫だよ
今から行くの東海寺んちだし」



そういえば前に言ってたね
東海寺のお寺の屋根で天体観測してるって



「あそこいつも電気ついてないから星が見やすいんだ」




それって東海寺くんちは夜電気つけれないほど貧乏ってこと?
何だか聞いてて胸が痛む話です



「ていうか東海寺んちじゃ黒鳥さん余計に危ないね


残念だけどまたね」




そう言って星夜くんは東海寺くんの家の方に歩いて行きました





あたしの知らない彼の一面




***



夜中に電気が点いてない東海寺のお堂についてチョコと話す話にするはずだったのに…
九巻見ると起きてる葉月くん案外可愛かったので脱線しちゃいました(笑)



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