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□花は盛りに
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「楠木さん僕がお水やりますよ」
「え?……いいのに」
「いや、僕がやります」
――珍しいな
古島くんって普段あんまり自己主張しないのに、
断ったらいつもなら引き下がってるのを見かけることが多いのに
「……どうして?」
「僕もお水やりに来たのに楠木さんばかりに任せてるじゃないですか」
「……あたしは好きでやってるからいいの」
「僕も、お水やりたいです」
そういった古島くんの顔はむくれているけれど
そのむくれ方がほっぺを膨らませるというもので
それが古島くんの顔と組み合わさると
―――可愛い
古島くんがよく六年生に可愛がられてるのはこういう事なんだなと実感した
「それに、」
「楠木さんは女の子なんですから僕に任せてくれればいいんですよ」
僕だって男の子ですからね
そう付け加えた古島くんにあたしの心臓は今にも爆発しそう
「……じゃあお願いしようかな?」
毎日刻々と
あなたへの想いは強くなるのです
そしていつか花を咲かせるのでしょう
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