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□さよなら愛おしき毎日よ
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なんとなく
あたしたちはずっとこのまま平凡な毎日を過ぎていくんだと思ってた
何も起こることのない、平和な毎日
それなりに大変なこともあるし鬱陶しい事だってたくさんあったけど



それでも、あたしたちは幸せだったのだと思い知る









遠くで爆発音がする
ここ一週間でその音になれてしまった自分が悲しい

次はあたしたちのところへくるかもしれないという恐怖
こんなもの、あの日が来るまで感じなくても良かったのに







――ちょうど一週間前のこと
突然空に得体のしれないものが出現した


登校する途中だったあたしとメグはその出現を目の当たりにした




“あれは何だかヤバいものだ”



あたしのオカルト好きが高じたのかあたしはそう直感して、メグを引き連れて学校へと走った



「ちょっとぉーチョコってばどうしたのよ?」



「メグ、今はそんな事言ってる場合じゃないんです」



普段あたしが走りたがらないのに全速力で走ってる姿を見て何かを感じたのか
メグはそれ以降文句を言わずに走ってくれた







結果としてそれは正しかった
最終的にメグに引きずられるような形で教室の中に入った直後

耳を引き裂かんばかりの大きな音があたしたちを襲った
あとから分かったのだけど
それはヤツらが自分たちの兵器を発射したことによる爆発音だった






ヤツらは地球の言葉でいう666万光年向こうの星から来たと言った


つまりヤツらは宇宙人



彼らの代表として出てきたのは黒コートに銀髪の美人だったけど、どうやらそれが本来の姿ではないみたいで
それは彼らがあたしよりよっぽど進んだ技術を持ってるって事だと速水くんが解説してくれた




彼らの目的は分からない
だけど、あたしたち人類を破滅させようとしているのは確かだ

彼らは悠長に自己紹介したあと、もう一度兵器を発射しこの町を攻撃したのだから





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