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□だから僕は君の側に
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黒鳥さんが元気がない
最初に騒ぎ出したのは麻倉だったか東海寺だったか
クラスでも確かにとみんなが納得するほどには彼女の異変は大きかった
日頃友達なんていらないと豪語してるわりには彼女を心配している女子は多かったし
彼女の幼なじみは普段では考えられないほど彼女を気にかけていた
僕は全て知っていた
黒鳥さんが元気がない理由も
彼女に一体何があったのかも
全てを知っていた上で僕は何もしなかった
出来なかったと言った方が正確かもしれない
だってそうだろう?
僕には彼女に何が起こったかを知ることはできても
彼女の苦しみは何一つ理解できないんだから
僕はインストラクターが大嫌いだから尚更だ
昔僕の下から暗御留燃阿が消えた事と
今彼女の前からギュービッドが消えた事との間にはそれこそ天と地ほどの差がある
どこかで歪んでしまった僕と
優しい君の瞳に映る世界は
きっと似ているようで全く違うのだろう
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