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□だから僕は君の側に
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「黒鳥さん」



通学路を一人歩いている彼女を見つけ声をかけた



あの日以前なら僕が声をかけると振り向いてくれてたけど
今の黒鳥さんにはそんな余裕もないみたいで




「ギュービッドさま………」



ほら今だって
誰が聞いてるか分からないのにギュービッドの名前を呟いた




幸い僕以外には誰もいないけど
誰かに聞かれたら一体どうするつもりなんだい?






「会いたいよ、ギュービッドさま………」




そう言って涙を流した彼女を見ているのは正直ツラい
何も出来ない自分が責められているような
そんな気持ちになるから




彼女の隣へと行って慰めたい
だけど慰めてしまったら、一層後悔が深くなっていく気がして
僕にはそれすらも出来ない







「黒鳥さん」



今度は少し大きめな声で話しかけたからか黒鳥さんは僕の存在に気付いたようで
彼女は何やらせわしなく顔の前で手を動かしてからこちらへと振り向いた




「ごめんね大形くん
気付かなかったよ」




目が少し赤くなっていて
目の周りが少し腫れぼったくなっているのには気付かないフリをして僕は話を続ける





「別に気にしてないんだねぇ」



「それより………」




――言葉が続かなかった



彼女が泣き笑いしているかのような複雑な表情を浮かべたから




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