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□優しい光
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約束の7時よりも少し前に大形くんの家に行くと
やっぱり大形くんは一人で待っていた
「桃花ちゃんは来ないんですね」
「やっぱり桃は気がきくんだねぇ」
「それより黒鳥さん
もうちょっとゆっくり来てもよかったのにねぇ」
「大形くんを待たせるなんて申し訳ないですから」
「気にしないのにねぇ」
「女の子はちょっとくらい遅れてくるものなんだねぇ」
「………あたしにそれを期待するのは酷じゃないですか?」
それにお隣同士でそれはあんまり現実的じゃないと思います
というと大形くんはそれもそうだと微笑んだ
「さぁ行こうかだねぇ」
「えっ行くってどこにですか」
「飛行機公園だねぇ」
「ここでやったらダメだってママに言われたんだねぇ」
確かに住宅街の中で花火したら怒られるかもね
「それに、ここじゃギュービッドに邪魔されるのが目に見えてるねぇ」
ギュービッド様ですか?
さすがに心配しすぎだよ大形くん
ギュービッド様は確かにちょっと子どもっぽい所あるけど
花火の邪魔なんてしないって
「だといいけどねぇ」
まあ結局は飛行機公園に行かなきゃいけないんだから
どっちにしてもあんまり関係ないよ
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