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□まだ見ぬ未来
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高校生くらい



「やっぱりぃー
式は小高い丘の上の教会よねぇ」



メグ、いきなりどうしたの?
朝初めて会って最初の一言がそれですか



「チョコもこれ見てよぉ!」



そう言われてあたしはメグが差し出してきたものを見ると
いつもメグが買っている雑誌だった
可愛らしく微笑んだモデルさんの写真に“理想の結婚式は!?”と色とりどりの文字が躍ってます



「それで丘の上の教会なんですね」



「やっぱりぃ一生に一度のイベントだもん
今のうちから計画練っとかないとね」



でもメグ、結婚式は相手いないとできないから
今から計画練っても相手いなかったら実行できないよ



「なにいってるのよチョコ!!
あたしが相手見つからない訳ないじゃないっ」



そうかなぁ
メグは確かにモテるけど今まで誰とも付き合ったことないじゃない



「それはぁあたしに釣り合う男がいないからでぇ」



はいはい分かりました
確かにメグは図太いしいざとなったらどうにかしてまで結婚しそうです



「それでぇチョコは?」



「あたしですか?
まず相手が見つからないから想像してもあんまり意味ないっていうか……」



「何言ってるんだ黒鳥っ!
相手なら俺がいるじゃないか!」



うわっ東海寺くん
いきなり会話に入ってこないでよ
びっくりしちゃうじゃない



「やっぱり結婚式と言えば白無垢だよな
絶対黒鳥に似合うよっ!」



「チョコ色白だしねぇ
綺麗に映えるとは思うよぉ」



「だよな紫苑!!
よし黒鳥、結婚式では白無垢を着てくれっ!」



「ち、ちょっと………」



「大丈夫だよ黒鳥
黒鳥が嫌なら麻倉も美珠亜も式には呼ばないから
黒鳥が望むなら親類だけの式にしてもいいし!」



「えぇっ!あたしは呼んでくれないのぉ?」



「俺は別に構わないと思うよ

あ、心配しないで黒鳥
式の費用くらいなら俺の家でも出せるから
今のうちの状況じゃ新婚旅行は行けないかもしれないけどそれも何とかするよ
黒鳥は式の内容のことだけ考えててくれたらいいからね」



「いや、そういう事じゃなくて………」




「黒鳥って六曜とか信じるタイプ?
一応俺んち寺だし黒鳥が気にするなら二人が一番幸せになれる日を選んで式を挙げようね」




………朝から良くもまあこんな事が言えますね
言われてるこっちがこっぱずかしいんですけど
だいたいあたし何にもいってないんだけどなぁ……




「東海寺くん」



「何?黒鳥」



「盛り上がってるところ悪いんですが今までの全部却下です」


「えぇっ!」



いや驚く事じゃ無いでしょ
あたしの意見とか意思を全く聞かないで作った計画が受け入れられるはず無いじゃない



だいたい根本的に可笑しいのは





「あたしはウェディングドレスが着たいんだけどなあ……」





乙女の夢は譲れません!



「ねぇそれって相手は俺でいいって事だよね!」


「……さあ、」


「そっか!そうと決まれば計画練り直しだね」






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