連作

□あなたと同じ感情です
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「よう!久しぶりだな黒鳥」



「なんだ、エロエースですか」



「なんだって何だよ
今や俺はこの学校のエースだぜ」



「……勝手に言ってて下さい」



「相変わらずだよな、黒鳥も



あ、そう言えば」



急にエロエースがニヤリと笑った
すっごくいやな予感がするんですけど




あたしの経験上こういう時は十中八九





「お前東海寺に決めたんだってな」




やっぱりそのことですか



どうやら先日の一件は瞬く間に広まって今や尾ひれに尾ひれが付きまくってるみたいで
あたしも何度もそのことについて質問されて正直ウンザリしてた



「決めたっていうか……」



「……うんまああれは東海寺が悪いと思うぞ」



あたしはその言葉で苦笑い



今まで知らなかったんだけど
東海寺くんは実はものすごい鈍感みたいで
今だってこれほど噂が広まってるのに
あたしが東海寺くんの事を好きだとは夢にも思っていない




「………期待とかしないんでしょうか」



「………それは無理だろ」



「え?何でですか?」



「何て言うかさ、多分説明しても黒鳥には分かんねーとおもうぜ」



「あたしが鈍いってことですか」



「そうじゃねぇよ


って噂をすれば来たぜアイツ」





エロエースがそう言って改めて周りを見渡すと
向こうの方から東海寺くんらしき人影が近付いてくる


わ、どうしようあたしまだ心の準備が……っ





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