連作

□あなたと同じ感情です
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かと思うとある距離から猛ダッシュしてくる人影(多分東海寺くん)




「おい小島っ!!
黒鳥から離れろよっ!!」



そういうやいなやあたしとエロエースの間に割って入る東海寺くん(確定)



「何だよ東海寺何もしてねぇよ」



そう言いながらもニヤニヤしてるエロエース
その顔は何かしらを企んでいるような顔にも見えて



「何もしてなくても離れろよ!
黒鳥の隣は俺のものだっ!!」



―――ズルいよ東海寺くん
好きな人にそんな事言われて嬉しくないわけないじゃない



「はいはい分かったよ
お前ホントに揺るぎないな」



「当たり前だろ!」





東海寺くんがこっち見てなくて良かった
多分あたし顔凄いことになってるもの
こんな顔見られたら流石に気付かれるよね






「じゃあ、この前の日曜日何で海音寺さんと一緒に居たんだ?」




え、待ってよ
東海寺くん美珠亜ちゃんと出掛けてたの?



「あれは美珠亜に無理やりつれ出されたんだよ」



「手組んでたよな」




東海寺くんと美珠亜ちゃんが手を組んで歩いてたの?
なによそれそんなのって……



胸の中に生まれた暗くドロドロした醜い感情
あたしはこの感情が何なのかは知っている


まさかこんな事思う日がくるなんて考えてもみなかったけど




「東海寺、黒鳥が何か言いたそうだぜ」



ちょっとエロエース何言ってるの!?
何でちょっとにやけてるの



「どうしたの黒鳥?」



東海寺くんが真っ直ぐあたしを見る
その後ろ側ではエロエースが口パクで“今だ!”とあたしを急かす





言うしかありませんか……






「あたし、何かそれ嫌です」





よし今度こそ言った!
今度こそ絶対伝わってる!
あたしちゃんと素直になれたよ!




少しの沈黙の後
東海寺くんは口を開いた








「えっとつまり……どういうこと?」








説明なくても分かるでしょ!?




(……予想以上に手強いなアイツ)


(やっぱり図ったんですね)





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