連作

□ある意味素晴らしいと思います
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球技大会当日



「キャーっ!!ショウくーん!
頑張ってぇ〜!」



メグをはじめ多くの女の子が黄色い声をあげる中
あたしは1人ため息をついた



あれからクラスみんなに急かされて東海寺くんが何の種目に出るのか聞きに行ったんだけど……
まあものの見事に試合時間が被っていて


唯一の救いは東海寺くんもバレーに出るらしいから隣のコートを見ればそこにはいるってことだけど



別に応援する気なんてさらさら無かったのだけど
それでも試合被ってなかったらなぁと思うくらいには残念に感じてる





「メグ、そろそろ行かなきゃ」



「えーっもっと見たかったのにぃ!!」



そう言いながらもキチンと集合場所に行こうとするメグは大人になったなぁと思う




「チョコ頑張ろうね!!」




―――その言葉には全然頷けなかったのだけど














体育館の中にホイッスルの音が鳴り響く
ずっと外にいたから気付かなかったんだけど体育館ってものすごく熱気が篭もってます


幸いな事に試合が始まってからまだ一度もボールが来てないから今の所問題はないけど
これからこっちに飛んできたらと思うと何だかクラクラします


チラリと横のコートをみると東海寺くんがすごく楽しそうにボールをレシーブしてて、
やっぱりちょっと見たかったななんて思ったりもします




それにしても、暑い
風が通らないから余計に







「―――コ!!」



おかしいななんかぼーっとしてきました




「チョコ危ないっ!!」



メグの声で意識を取り戻した瞬間、あたしの頭を鈍い衝撃が襲った





再びあやふやになっていく意識の中で最後に聞こえたのは








「―――黒鳥!?」




東海寺くんの必死そうな声だった




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