連作
□むしろ正反対ですが
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その日の放課後
今日はなにも用事が無いかと前もって聞かれてたから
もしかしてとは思ってたけど
「黒鳥っ!!
俺と一緒に帰ろう」
やっぱり来ました東海寺くん
この前の球技大会の一件でクラス全員があたしの気持ちに気づいてると発覚してるから
あたしたちに対する視線が前よりも集まっているのを感じます
恥ずかしくなってつい断ろうと口を開いた瞬間
先ほどメグに言われたことが頭をよぎった
……もしかしたら今が頑張り時かもしれない
「……ちょっと待ってください
後ちょっとで準備出来ますから」
「………え!?
黒鳥っ一緒に帰ってくれるの？」
「東海寺くんが言い出したんでしょ？
嫌ならやめますけど」
「そんなことないよ!!大歓迎！」
そう言って本当に嬉しそうに笑う東海寺くんを見てると何だかあたしも嬉しくて
ていうかこんな事で喜んで貰えるのは好き嫌い関係なく嬉しいことなんだね
にやけそうになる顔を必死に抑えて
あたしは鞄を持って教室をでた
「いやー嬉しいな」
「いつまでそんなテンションなんですか？」
「いいじゃん黒鳥
俺幸せなんだし」
ニコニコ笑う東海寺くんは本当に幸せそう
――“あたしもです”って言ったら東海寺くん喜ぶかな？
あ、でもこれまた回りくどいかも知れない
回りくどいと伝わらないってメグに怒られたばっかりだし止めとこう
だけどやっぱりあたしも幸せだなとは思うし
これはきっと伝えた方がいいことだとも思う
要は言い方の問題だよね
えっとメグはなんて言えって言ったっけ？
中学生になってから多少は改善されたけどあたしはもともと記憶レス少女
必死に思い出して何とか言ってみた
「……こんな気持ちは東海寺くんだけです」
言った瞬間立ち止まった東海寺くん
そしてみてる間に顔が何故か真っ青に
「……俺そんなに嫌われてるの!?」
東海寺くんのまさかの言葉に
慌てて自分の言葉を振り返って見ると
――メグが言ってたのと全然違う!!
これじゃあむしろ回りくどい!?
「黒鳥ぃっ!!」
見ればちょっと泣きそうな東海寺くん
今回は激しく自己嫌悪です
誤解だけは何とか解けました
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