連作
□XX 愛しいと、恋しいと泣けば、君はそれを許してくれるのだろうか
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優しいあなたが好きだった
あなたの言葉はみんなを幸せにしてくれると信じていた
そこにあるのは愛なんかじゃないと知っていたはずなのに
どうしてこんなにも、
「ごめんね」
謝らないでよ
あなたが謝ったらわたしはどうしたらいいのか分からなくなる
「僕は“みんな好き”なんだ」
知ってるよそんなことは
あなたが何かを躊躇いながら口にするその言葉はいつだってわたしを翻弄してきたんだから
「だから、ごめん」
だからなんで謝るの
わたし何も言ってないよ
ショウくんへの気持ちこれっぽっちも伝わってないのに
なんでわたしが伝える前にそれを拒絶するの
「ショウくんは、ズルいよ」
泣きそうになるのを必死にこらえてショウくんに告げる
「仕方ないんだ、僕はズルい人間だから」
本当にズルいよ
受け入れる気もないくせになんで優しくするの
わたしをこんなにも魅了しておいて、散々はぐらかし続けて
ねぇホントは“みんな好きだよ”も嘘なんでしょ
ショウくんは愛なんて信じてないんでしょ
わたし知ってるんだから
あなたがその一言を使う理由も
ほんのすこしいつも躊躇ってる理由も
悲しいね
ショウくんも、わたしも
「泣かないんだね」
違うのショウくん
泣かないんじゃない泣けないのよ
泣いたところで何かが変わるわけでもない
あなたはむしろ遠のくでしょう？
「ショウくんのせいだよ」
泣きたいのも泣けないのも全部ショウくんのせい
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