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□大人になれない僕ら
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高校生パロ





チャイムの音が響いて退屈な授業が終わった

生物なんて結局死んだらみんな同じなのに
何で勉強しなきゃいけないんだろ
あたしは世界史で中世の魔女狩りを勉強する方がよっぽど楽しいと思うんだけど



ちらりと隣の席をみるとやっぱりその住人はいなくて




この時間だと屋上だな……
と推測してみたりする




昔は屋上といえば速水くんだったけど
今は屋上と言えば彼になっている






「黒鳥」




あたしの前の席の男の子があたしに振り向いて話しかけてきた


「ノート見せてく……」
「俺のでいいだろ?」



いきなり割り込んで来た声には聞き覚えがある
もう何年も聞いていると自然となれてくるものでそちらを見なくても何となく彼の表情も分かる

ちなみに今は笑っている
心からかどうかは別問題だろうけど




「おぉ!!東海寺サンキュな

お前のノートなら丁度いいよ」


「ありがとう
俺ならいいからいつでも俺に言えよ」




二回目の俺を強調したのは鈍いといわれるあたしですら分かったのだから
目の前の男子は今後あたしにノートを借りることはないだろう

完全に彼の思惑通りだ





「東海寺くんいつから見てたの」



「いつからってずっとだよ」



「ずっとって………
そんな事してたら奨学生取り消されるよ」



「大丈夫取り消されても黒鳥に会いに来るから」




ダメだ
会話が成り立たない
とは思うけどそれも悲しいことにいつものこと

もともとしつこかった東海寺くんをあしらうことは案外難しく
彼が頭がよくなったことでそれはほぼ不可能になった





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