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□坂を越えて向こう側
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今まで快調に進んでいた自転車がゆっくりとスピードを落とし
そして止まった
「どうしたの東海寺くん」
「……ごめん黒鳥
今日この道が工事してるの忘れてた」
その言葉であたしたちが週に一回一緒に通り抜ける道が使えないことに気付く
「他に道はないの?」
「あるにはあるよ
むしろ俺はいつもその道を通って学校にいってるからね」
「じゃあその道通ればいいんじゃないですか?」
そう言うと東海寺くんは少し考え込んだ後
「……まあ何とかなるかな」
といって再びペダルを漕ぎ始めた
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