short2
□そして世界は色を変え
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俺の葛藤なんてきっと
君は一生知らずに生きていくのだろう
「麻倉くん、」
俺の隣には俺が焦がれてやまない、やっとの事で手に入れた彼女がいて
俺は最近そのことにようやく慣れてきた
俺を見上げる黒鳥は、可愛い
俺が彼女に恋したあの頃からの長い年月が
俺と黒鳥の間の差に顕著に現れているのだと思うと余計に
辿々しくなりながらも
隣を歩く彼女に可愛いなと伝えると途端に真っ赤になるのも何だか愛おしいのだ
黒鳥が東海寺でもなく大形でもなく速水でもない
他でもない俺を選んでくれたのは本当に奇跡なんだとおもう
だから
俺は出来る限り彼女を大切にしたいのだ
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