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□そして世界は色を変え
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だからというか
時たま俺はひどく焦ってしまう
例えば
何気なく黒鳥の方を見た瞬間案外2人の距離が近かった時とか
例えば
ふとした瞬間に黒鳥がこちらに体を預けてきた時とか
……白状すると
俺は黒鳥と触れ合うことにひどく緊張してしまうのだ
大切にしたいからと言えばキレイかもしれないけれど
主に俺の心臓がドキドキしすぎてヤバいという意味でだ
“麻倉は案外ヘタレだよな”
彼女と付き合いだしたときに
東海寺に嫌みのように吐き出された言葉が頭を回る
認めたくは無いが俺は、
「麻倉くんってヘタレですよね」
「えっ!?」
突然黒鳥にそんな事を言われたのと
自分が今まさにその事を考えていたという二つの意味で俺は驚いた
「…ど、どうしたんだよいきなり」
「いきなりもなにも……
まあ前から分かってたことなんですけどね」
だってほら、
小学校のときから麻倉くんって純情な照れ屋でしたもん
と呟く黒鳥は何故か少し楽しそうで
一方の俺はというと
そんな風に思われていたのかと思うと何だか男としてショックだった
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