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□現実と夢がかけ離れてるなんてどうして断言できようか
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“もう、ずっとずっと好きだったんだ”
あたしの手を取り彼は泣きそうな顔で囁きかける
“ねぇ、もうそろそろ気付いてよ”
そう言ってあたしを強く抱きしめる彼の暖かさにあたしはそっと目を閉じた
次に目を開けたときはあたしは自分のベッドの中にいた
目覚まし時計を見るとまだ朝の5時で起きるにはまだ早い時間だった
もう一回寝ようかなと思いながらさっきまでの出来事はすべて夢の中の事だったと気付いた
夢というものは怖い
現実ではあり得ないことが当たり前のように起こる
それをあたしは当然のように受け止めて
終いには目が覚めるまでそこが現実でないと気付けなかった
先程まで見ていた夢にしては鮮明に覚えている映像を思い起こす
うん、有り得ない
彼が、日向くんがあたしの事好きなんてそんなことあるはずがない
あたしと日向くんは出会ったときからずっと、ただの友達でしかないのだから
むしろあんな夢を見てしまった自分が恥ずかしい
天地がひっくり返らない限り
どうして日向くんがあたしを好きだなんて現実が起ころうか
夢の中だとはいえそんなことを想像してしまった自分が、すごく恥ずかしく感じる
というか一介の友人である日向くんにたいして少しでもそんなことを考えてしまって失礼だな、あたし
それにしてもいやにリアルな夢だったな
抱き締められた感覚も日向くんの腕の中の暖かさも何もかもが現実みたいだった
といっても彼に抱き締められたことなんてないしこれから先もある予定はないのだけど
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