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□現実と夢がかけ離れてるなんてどうして断言できようか
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学校に向かう途中に日向くんを見かけた


日向くんは本当にバカで一時は高校進学も危ぶまれたんだけど
スポーツ推薦制度をフル活用し、なんとか高校進学を成し遂げた
日向くんらしいといえば日向くんらしい

そんな訳であたしと日向くんは同じ学校に通っている
もちろんあたしは一般入試での合格だからクラスは違うだろうと高を括っていたんだけど
何故かあたしたちは同じクラスで
何だかんだであたしたちの友人関係は続いている




いつものあたしなら何も気にせずに日向くんに声を掛けるのだろう
だけど今日のあたしはあの夢に対する負い目からか声を掛けるなんてできる気がしなくって
ひたすら日向くんに気付かれないようにとゆっくりと学校に向かった







「ねぇ、それって正夢なんじゃない?」



学校に着いてからも負い目からか日向くんと上手く話が出来てなかったあたしを見て
不審に思ったらしい桜田さんに今朝の夢の話をしてみると一言そう返された



「正夢ってあの夢に見たことが現実になるってヤツか?」



「そうよ
たぶんこういうことは星羅ちゃんとかチョコちゃんが詳しいんだと思うけど」



「まさか日向くんが、そんな訳ないだろ」



「あら、あたしは前々からおかしいと思ってたわよ」



桜田さんの場合、あたしたちの友人関係が始まった瞬間つまりあたしがこの街にやってきてからの付き合いな訳で
そんな彼女の“前々から”という言葉には結構な重みがある



「前々からっていつくらいから?」



「小学生の頃から」



それって殆どあたしと日向くんが出会った頃からじゃないか!?
いくらなんでもそんなにも長い間そういう風に見てたのかと思うとちょっとショックだ



「だいたい、さやかちゃんが日向くんのこと友達だっていうのもちょっとおかしいわよ」



「何でだ?
あたしたちふつうに仲がいいだけだろ」



「………仲が良すぎるのよ」



そうかな?
最近でこそあんまりしないけどスポーツで競争したり
あんまりにもお馬鹿な日向くんに休日返上で勉強教えてあげたり
お礼にジュース奢ってもらったり


うん、普通の友人関係だよな



「それを例えばあたしとかとするなら問題ないのよ
分かる?」



「でも、友達に男も女も関係ないよ」



「………例えばさやかちゃんと日向くんがしていることを
あたしが男の子としてたらどう思う?」



「桜田さんはスポーツ対決とかしないだろ」



「例えばの話よ」



うーん、そうだな
普通に仲のいいカップルだなって………



「………なぁ、桜田さん
もしかしてあたしと日向くんって付き合ってるって思われてる?」



「やっとそこにたどり着いたわね
長かったわ」



桜田さんは長い溜め息をついた



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