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□小さな反撃
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*高校生設定 恋人同士




こんな気持ち知られたら大形くんはどう思うんだろう
やっぱり呆れてしまうんだろうか




「黒鳥さん迎えに来たよ」



今日は帰りにクレープを食べに行く約束をしてたから大形くんが教室まで迎えにきた
綺麗な顔を惜しげもなくさらして周りにキラキラしたオーラを振りまいている

――凛音ちゃんが見たらビックリするだろうなとふと関係の無いことを考えてみたり



「もうちょっと何というか落ち着いた登場の仕方はないんですか」



心の中では相変わらず格好いいなと思いつつ正反対の言葉をぶつける
この場合落ち着いてないのは大形くんじゃなくて周りの女の子なんだけどね



「ごめんね黒鳥さん、行こうか」



半ば八つ当たりなあたしの言葉につっかかるでもなくスマートな対応を見せる大形くん
あのアニメ声でナヨナヨしたイメージの大形くんからは本当に考えられない


あたしは本当の大形くんの姿を知っていたとは言え余りのふれ幅に最初は戸惑ったっけ
そんなことを思い出しながらあたしは大形くんの隣へと並ぶ




「楽しみだね黒鳥さん」



「大形くん甘いもの好きなんですね」



「うーん、甘いものもだけど」



そう言って大形くんはにっこりしながらあたしを見つめる



「やっぱり黒鳥さんと一緒だからかな」



―――うわ、ヤバい何て破壊力
大形くんの綺麗な顔でそんな事言われたら普通にドキドキするんですけどっ!!
頬が熱くなっていくのを感じながら耐えきれなくなってあたしは強引に話を逸らした



「それにしても大形くん変わりましたね」



何がそれにしてもなのか自分でもよく分からなかったけど
本当に大形くんは良い意味で変わったと思う
小学生の頃の大形くんってもっと尖ってたというか危うさがあったというか



「まあ、僕にもいろいろあったし
それに黒鳥さんは今の僕の方が好きだろ?」



ちょ、せっかく話題を反らしたのに何でまたそういうこと言うんですか
たしかにあの頃の大形くんより優しくなった今の大形くんの方があたしは好きだけど……ってそうじゃなくて、



「……もういいです」



何だかこれ以上何か言っても無駄になりそうな気がしたから言わないことにした
あたしも女の子ですからああいうこと言われて普通に嬉しいですけど時と場所を考えてほしいです




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