short2

□空からの贈り物
2ページ/6ページ



あれ、そういえば麗華ちゃんは?
このメンバーならいてもおかしくなさそうなのに



「……麗華ちゃんなら向こうで休んでるよ
今日は体調あんまりよくないみたい……」



そっか、麗華ちゃん病弱だもんね
こころちゃんに教えてもらった方を見ると確かに麗華ちゃんがひとりで座っています


……あれ?今麗華ちゃんの方で何か動かなかった?
目をよく凝らしてみると、大谷くんがひとりで麗華ちゃんの方に向かっている
いつもエロエースや横綱と一緒にいるからなんか新鮮です



「……麗華ちゃん大丈夫かな」



心配げにこころちゃんが呟くから一瞬何のことか分からなかったけど、つまりは大谷くんが麗華ちゃんに変なことをしないか心配してるわけで
そういうことならあたしが見てきましょうか?
いざというとき麗華ちゃんひとりじゃ心配です



また帰ってくるねと言い残してそっと麗華ちゃんたちの方へ移動する
気付かれたら何か言われかねないからふたりの会話が聞こえる距離に身を潜めた



「伊集院、お前遊ばねーの?」



「はい、今日はあんまり体調がよくなくて……」



「そりゃ残念だな、せっかくの雪なのに」



あれ?案外普通に会話してるよ
麗華ちゃんも日本人形みたいな色白顔に笑みを浮かべてるし
いつもバカ騒ぎしているエロエロトリオを呆れた目で見てるのに



「大谷くんは、いいんですか?」



「いやもう行くぜ
あいつらと雪合戦しなきゃなんないから」



「そうですか……」



ホント意外だよ
麗華ちゃんなんだか寂しそうだしそれを見た大谷くんも何だか考え込んでる様子
かと思えば急に上着を脱ぎ始めた



「着とけよ、風邪引くぞ」



そう言う大谷くんも言われた麗華ちゃんも顔真っ赤にしてます
心配してたような事態は起こらずどうやらあたしの思い過ごしだったみたい
ていうかこれふたり結構いい感じじゃない?
何だかいいもの見ちゃった気がします



.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ