short2
□絶対に譲れない!
2ページ/5ページ
「なんでよりによってコイツらと同じチームなんだよ!
俺黒鳥と一緒が良かったのに」
「それはこっちのセリフだ東海寺
何が悲しくてコイツらと協力しなきゃいけないんだ」
「……くだらね」
「僕だってねぇ」
「納得いかないんだねぇ」
試合が始まる直前なのに喧嘩をしている麻倉くんと東海寺くん
速水くんはやる気なさげだしそもそも体育に参加するのも久々
大形くんの手には当然いつものようにぬいぐるみが
まあないほうが困るんですけど
いくらくじ引きで決めたとはいえこれじゃあ同じチームの麗華ちゃんとこころちゃんが可哀想です
「チョコちゃん、これならビリは無さそうだね」
心底嬉しそうに凛音ちゃんが言うと要くんがそれはどうでしょうと投げかけた
「彼らはマドモアゼル黒鳥に良いところ見せようと頑張るんじゃないでしょうか」
「……要にしては的確だな」
「そうなってくると向こうは男4人だからね
厳しくなってきそうだよ」
にしてはってどういう意味ですかと頬を膨らませる要くんの隣で与那国くんと獅子村くんが真剣に悩みだした
だけど東海寺くん麻倉くんはともかく、大形くんはぬいぐるみ持ってるし速水くんもそんなに体育に参加してないから大丈夫なんじゃない?
「……速水は運動できるぞ」
「ムッシュー大形もぬいぐるみを持っての運動に慣れているでしょうし」
「とにかく、チョコはアイツらと口聞いちゃダメだよぉ」
「紫苑さんは言い過ぎだけど
変にやる気を刺激したらマズいしね」
はあ、そういうものですか
それにしても速水くん頭もいいし運動も出来るんですか
なんかズルいというか羨ましいです
松岡先生の笛で試合が始まった
要くんの指摘通り麻倉くんたちはさっきまでのグダグダはなんだったのってくらい大活躍
麗華ちゃんなんてついていけなくて今あたしの前で待機してるくらいだ
こっちのチームも与那国くんが案外動けてなんとか食らいついてるから結構いい勝負だと思うんだよね
「しかしヒマですね」
「基本動きませんからね、ボールマン」
「そういえばさ麗華ちゃんがボールマンやれば良かったのに」
「こころちゃんに止められたんです
どうせあの4人は加減しないからって」
なんて会話をしていたからいつの間にかこちらのほうにきていたメグにボールを投げられたのにも気付いてなかった
「チョコっ!!」
言われてはっと気がついたからとっさに手を伸ばしてキャッチは出来たのだけどバランスを崩してしまいあたしは台から落ちてしまった
.