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□Sweety Sweety
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am.5:00
「ん…」
重い。
何かが体にのし掛かってる。
「…っ重い!」
その何かを押し退け起き上がる。
隣には金髪の青年が寝息を立てていた。
「コロネロか…全く寝癖の悪い…」
相手の髪をくしゃっと撫で.ベッドから降りてカーテンを開けた。
1つ大きな欠伸をして前髪をかき上げる。
寝惚けていた頭が鮮明さを取り戻してきた。
ばっと勢い良く振り向く。
「コロネロ!?」
目線の先にはまだ夢の中にいるコロネロがいた。
───────Sweety Seety───────
「…んお…はよ.ラル…」
未だ眠そうなコロネロが目を擦りながらむくりと起き上がる。
「なっ…何でお前が…って服はどうしたお前っ!!」
柄にもなく取り乱す。
まぁ自分の教え子が隣で寝ていてその上上半身裸となると納得も出来る。
「何でって…お前が運んだんだろ?…コラ…何かだるいな…」
「俺が運んだ…!? 俺の部屋に!?」
「おう」
何故だ.何で俺はコイツを自分の部屋に…!?
いやそれよりコイツの服は!?
情報処理が上手く行かず戸惑う。
「どうしたんだ?コラ」
きょとんとした顔で此方を見る。
…何故か気恥ずかしい。
「な.何でもない… …それよりだるいって…昨夜何かあったのか?」
ついさっき相手が放った言葉に不調を訴えるフレーズがあり.ちょっとだけ相手の体が心配になったラル。
「ん? ……おう.お前とな.コラ」
「は………俺と?」
何を言っている…?
昨夜の事を思い出そうにも何故か思い出せない。
こうなったら状況から…
俺の部屋にコロネロ。
一緒に寝ていた。
体がだるい。 …心無しか俺もだるい。
コロネロが上半身裸…。
……いやいやいや無い無い。
…まさか…いや無い無い…
「…何か想像でもしたか? コラ」
「はっ…!?」
ベッドに寝転がりニヤニヤしながら此方を見てるコロネロ。
自分の考えが見透かされた様で顔が急に熱くなる。
「ばっ……!!! そ…んな訳ないだろっ!!!」
ずかずかと相手の目の前まで歩いていき物凄い形相で睨む。
それをコロネロは面白そうに見ている。
苛つく笑みを浮かべている。
そんな相手に苛立ちが増し更にきつく睨む。
「……なんなら-…」
「え…うわっ!?」
睨んでいると急に手首を引っ張られベッドに倒れ込む。
一瞬何が起きたのか理解出来なかった。
「……本当にするか? コラ」
不敵な笑みを携えて上から俺を見下ろす。
また顔が火照る。
心臓が大きな音を立てる。
外に聞こえるんじゃないかって位大きな音を立てていて。
「この…今すぐ上から降りろバカネロ!!」
「じょっ…冗談だって!! そんな怒るなよ.コラ!」
ただならぬ殺気を感じ.慌てて上から退く。
「非番だからってふざけるのも大概にしろよ.. 自分の部屋に早く戻れ!」
「分かった分かったから! 周りが起きるから静かにしろって.コラ!」
コロネロは自分の服を肩に掛け足早に出ていった。
バタンと扉が閉まる音を最後に部屋が沈黙に包まれる。
[……本当にするか? コラ]
生意気な教え子の台詞が頭の中を反芻する。
蒼の綺麗な瞳に吸い込まれそうになった。
少し掠れた甘い声に酔いそうになった。
「……ふんっ…」
自分の考えている事が恥ずかしくなり毛布を頭から被る。
…あのまま何も言わなかったら.なんて馬鹿げてるけど。
何も言わなかったら.お前はどうしたんだろうな。
…とんだ乙女思考。
「バカネロめ…練習量倍にしてやる」
そうぼやきながら.心臓が鳴り止むのを毛布にくるまりながら静かに待った。
fin.&アトガキ→→→