第3部

□第12の枝 ジニーの悩み事
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トライウィザードトーナメント開催の為、
ダームストラング、ボーバトンの生徒たちを迎え、盛大な歓迎会が開かれたハロウィン。

その、いつもと違ったハロウィンを過ごした次の日の朝。


そこ、グリフィンドールの女子寮の寝室では、朝から一人の少女がうんうんと唸っているところだった。




 「うー……うーん……うぅ、どうしよう……。」



あれこれ考え、唸りながら頭を抱えているその少女は、ジニー・ウィーズリー。

グリフィンドールの2年生となり、アナベル・ポッターの親しい友人である彼女は、その朝、
一通の手紙をもらったことで、ひどく頭を悩ませていた。


その手紙の差出人は、兄、チャーリー・ウィーズリー。


あまり会えない兄からの便りは嬉しく、手紙でもジニーの近況を真っ先に尋ねるその文面に、
その兄の素朴な優しい人柄がよく表れていたのだが………問題は、その後半の内容だった。





ところで、ジニー。

ジニーの友達のアナベルは元気かい?

ドラゴンの可愛さをよくわかってくれるいい子だったけど、
そのアナベルに、今回は嬉しいお知らせがあるんだ。


あ、先に言っておくけど、これはまだ極秘だから、誰にも話してはいけないよ。


実は、今ホグワーツで開催されているトライウィザードトーナメントの第一の課題に、
ドラゴンが使われることになってるんだ。

で、僕や他のドラゴンキーパーたちが4頭のドラゴンを連れて、
明日の夜あたり、ホグワーツに行く予定になっている。

休暇中に会った時も、アナベルはしきりにドラゴンを見てみたい、触ってみたいと言っていたから、
いい機会なんじゃないかと思ってね。



もちろん、アナベルに会いたいかどうかをまず聞いてほしいんだが、あの子は喜んで承諾しそうだよな。

ただ、問題は、彼女を大事にしている周りの人たちだよ。

無論、僕や他のドラゴンキーパーたちがいるんだから、危険は限りなく低い。
でも、やっぱり危ないと思う人もいるだろう?

現に、ジニーなら危ないからやめとけと言いそうだし。


それでも、アナベルが見たいと言うんなら、僕の方は是非来てほしいと思ってると伝えてくれないか。


そして、もう一つ。

アナベルがドラゴンを見る許可を保護者…というか、大騒ぎしそうな人たちに聞いといてほしいんだ。

ハリーと、それから、ほら。アナベルの恋人。

マルフォイ家の息子君がいただろ?

ジニーは気に食わなそうだったけど、
アナベルのことを大切にしているのは間違いないようだから、やっぱり聞いておいてほしいんだ。

ま、アナベルからでも構わないんだが。


よろしく頼んだよ、ジニー。

来れることになったら、ジニーもアナベルと一緒に来るといい。待ってるからな。




 チャーリー・ウィーズリーより
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