第3部

□第12の枝 ジニーの悩み事
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 「う、うーん………。」



ていうか、なんだってわたしが、休日の朝からこんなことに頭を悩ませなくちゃいけないのだろう。


いっそのこと、アナベル本人に聞いてみようかとも思うのだが、
アナベルにこの話をしたら、問題そっちのけで、ドラゴンにハイテンションになって大騒ぎしそうだ。

あまり、助けにはなりそうにない。


それに…………。


ここで、ジニーはまた深々とため息をついた。

はい、問題その2。
アナベルがベッドにいません。


正確に言えば、昨日の夜マルフォイに会いに行くと言って出て行ったきり、
今の今、朝まで部屋に戻ってきませんでした。

朝帰り…っていうか、まだ戻ってきてもないんですけど。



 (あんの、スリザリン野郎ぉぉぉぉ!!!)



何があったか知らないが、絶対、あの純血貴族のスリザリン野郎がアナベルを引きとめているのだ。

ギリギリと怒りを溜めていた時、ふとジニーは嫌なことに気付いた。



 (あれ……………そういえば、アナベルとあのいけすかない野郎、どこまで進んでるんだろう…。)



少々恐ろしい疑問だったので、無意識のうちに考えないようにしていたのかもしれない。

されど、ジニーは今、この新たな疑問にぶち当たってしまった。



 「ま、ま、ま、まさか…まさか、もう引き返せない関係です…なんて言わないわよね。」



思わず、小声で恐ろしい予想を呟いてしまうジニー。
が、次の瞬間、ジニーは一人で思い切りぶんぶんと首を横に振った。



 「ダメ。ダメよ、ジニー。余計なこと考えてる場合じゃないわ。そう、ドラゴンの問題の方が先決よ、うん。」



無理矢理自分にそう言い聞かせて、ジニーは一瞬前の問題をきっぱりと忘れることにした。

なんだか嫌な汗が滲んできたので、たぶん無意識では答えを出しているのだろう。
しかし、ジニーはそれに気付かないふりをして、さっと立ち上がった。


もう自分で考えていても、らちが明かない。
アナベルを探そう。


ジニーはそう決心して、グリフィンドール寮を出た。

他の誰かに相談するというのが最良だったが、
アナベルとマルフォイとの関係を知らない人間には相談できない。

ということは、つまり、本人たち以外誰にも相談できないと言うことだった。



 「とりあえず…面倒だけど、スリザリン寮に行くしかないわよね。」



アナベルがまだマルフォイと一緒いると仮定したとして、の話だが。

だがそれが一番確率は高そうだと、ジニーは休日の朝で人気のない談話室を抜け、地下へと向かった。
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