第3部

□第19の枝 未来予想
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 「ふーん。クラムがいい感じなんだな。」



むしゃむしゃ百味ビーンズを食べながらベイジーがコメントすれば、同級生は肩をすくめた。



 「そりゃあなぁ。なんたって、現役のプロクイディッチ選手様だからな。」



ドラゴンと対峙した第一の課題の時に、その瞬発力というか、クイディッチで培われた運動能力を見せてくれたし、
さすが上級生だけあって、第二の課題も水中で息をする方法を見つけ出している。

まあ、微妙な変身術だったが、それでもクイディッチだけが取り柄ではなく勉強もできるらしいとわかる。



 「一口5ガリオンから。どうする?」


 「うーん…。」



ベイジーは考え込み、頭の中で現在の自分の経済状況を確認した。

クイディッチ雑誌の定期購読、細々したクイディッチ用品の購入、その他もろもろ。
基本的に自分の欲望に忠実なベイジーは、あまりやり繰り上手とは言えなかった。

が、面白そうな賭けに興味を覚え、ベイジーは簡単に頷いてしまった。



 「やる。」


 「そうこなくちゃ!どいつに賭ける?」



そう言って紙を引き寄せる同級生に、ベイジーはまた唸って考え込んだ。


普通ならホグワーツの勝利を祈ってセドリック・ディゴリーに賭けるのもありだったが、
スリザリン生が代表ならともかく、ハッフルパフ生に勝利を望んで金をかけるスリザリン生はあまりいない。

なので、この数字なのだろう。



 「っつても、俺、3人ともよく知らないんだよなぁ。」



唸るベイジーに、同級生は口に入れた百味ビーンズを取り出しながら(不味かったらしい)、あっさりと肩をすくめた。



 「みんな、そんなもんさ。」


 「でも、このフラーって子、めっちゃ美人だよなぁ。」



変なところに食いつくベイジー。
容姿はさほど勝利に関係しているとは思えないのだが、同級生もうんうんと同意する。



 「さすがボーバトンってな。他のボーバトンの子も、可愛い子が多いぜ。」


 「マジ!?俺、あんまし会えてないんだよな。」


 「見てきた方がいいぞ。それにほら、クリスマスにはダンスパーティーなんて代物もあんだろ?
まだちょい先だけどさ、パートナー見繕っとかないと。」


 「それもそうだな!よし、行ってくる!」


 「ああ……っておい!!賭けは!?」



残念ながら、こういうときのベイジーの行動は速い。


美人のボーバトン生を目指して、ベイジーはあっという間に談話室から走り出ていた。
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