第3部

□第23の枝 クリスマスプレゼントの準備
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 「よいしょ。」



子猫を一頻り撫でた後、アナベルは教科書の詰まった鞄を置き、一息ついた。


1日の授業も終わり、特に教授たちの手伝いもなかったので、
今日はいつもより少しだけ、早めに部屋に帰ってこれたのだ。


いつもなら、これから子猫のナイルを連れて、プラチナブロンドの恋人の元へ行くのだが、
ドラコは本日、クイディッチの練習の日。

おまけに、赤毛の友人ジニーは魔法薬学の補習、兄のハリーは(何をしたのか知らないが)、
友人のロンとともに、罰則としてマクゴナガル教授のところで資料整理をしているらしい。



というわけで、アナベルはこの放課後、一人で部屋に戻ってきたのだった。




 「ちょうどよかったかも。今のうちに、いろいろやっておかなきゃいけないことがあるものね。」



アナベルは呟きながら、手際良く鞄の中身を出し、課題が出ている教科だけ別にしておいた。
これは、明日の朝やろう。



 「さて、と。」



アナベルはよいしょとベッドに上り、
にゃーにゃー言って寄ってくる子猫の相手をしながら、パラパラとフクロウ通信のカタログをめくり始めた。

そう。なんといっても、あと1週間ほどでクリスマスなのだ。

友達やお世話になっている人へのプレゼントを早く決めておかないといけない。



 「うーん…ジニーは、この前の休暇の時髪留めを欲しがってたし、
ああいう、可愛いアクセサリー類がいいかなぁ。」



以前のことを思い出しながら、アナベルは唸った。


もともと着飾るより森で遊ぶ方が好きなアナベルは、そうお洒落が得意でもなかったのだが、
ナルシッサのおかげで、だいぶ耐性がついてきた。

ジニーに似合いそうなものを、自分で見繕ってみよう。

(自分のセンスにはいまいち自信がなかったが、
そこは、友情という名の寛大な心で許してもらうことにする。)



 「あとは…ロン先輩はお菓子がいいって言ってたし、
ハーマイオニー先輩には、ちょうどいい綺麗なアンティークのインク瓶があったからそれにして…。」



ハニーデュークスブランドのびっくりお菓子詰め合わせ(何がびっくりなのか、少し不安だったが)と、
インク汚れ防止の呪文付きインク瓶のところのページに印を付け、

アナベルは、カタログの注文用紙に記入していった。
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