第3部

□第24の枝 親馬鹿会議inホグワーツ
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 「少年、今はそれよりも大事なことがあるんだよ。僕の天使のことを話し合わないと。」


 「いやいやいやいや。全然知らない人とかいるんで。」




無茶言わないで下さいと言うロンに、知らない人の筆頭ピンクの髪のトンクスがけらけら笑った。



 「そうそう、ジェームズは急ぎ過ぎよ。自己紹介くらいしなくちゃね。
わたしは、ニンファドーラ・トンクスっていうの。ハリーのパパの仕事仲間でね。

今日ホグワーツに乗り込んで行って天使ちゃん絡みの作戦会議をするって聞いて、
面白そうだったから、ついてきたの。」


 「Σただの野次馬か!!」



もう、僕疲れてきた!

会議開始前に、早々に疲れきってしまったロンがぐったりと顔を伏せた。


ていうか、どうやってここに来たの、この人たち?
ホグワーツって、そんな遠足気分で侵入できるところだっけ?


そんなロンの心の声が聞こえたかのように、同じくやや疲れ顔のシリウスが口を開いた。



 「まあ、一応俺も自己紹介しておくな。
俺は、シリウス・ブラック。俺もジェームズもトンクスも魔法省に努める闇祓いなんだよ。

闇祓い本部には、あー…緊急時用にいつもホグワーツと暖炉を繋げてあるんだ。」


 「それ使ってきたってことですか!?」



職権乱用ですよね、それ。
ロンとハーマイオニーは正確に同じことを思ったが、そこでそれまで黙っていたハリーが口を挟んできた。



 「ロンもハーマイオニーも、もういいじゃないか。そろそろ、本題に入らないと。」


 「…本題?」



聞きたくない様な気もしたのが、聞かないと始まらない。

ロンが渋々尋ねれば、ハリーとジェームズが揃って重々しく頷いて見せた。




 「「そう、天使(アナベル)についての作戦会議だよ。」」


 「やっぱりかあああぁぁぁー!」




あー!と頭を抱えるロンに、同情顔でシリウスがぽんぽんと肩を叩く。

ハーマイオニーはとりあえず、素知らぬ顔で紅茶を飲みながら状況を見ることにした。




 「フクロウ便のやり取りじゃ、らちが明かないんだよ。直接みんなで話し合った方が早いと思って。」



けろっとした顔でそう言うハリーに、ジェームズがうんうんと頷く。



 「とにかく、早急に話し合わないといけないことが山積みなんだ。」


 「…だったら、さっさと話して終わらそうぜ。」



シリウスははぁとため息をつく。



 「ジェームズとトンクスは、もともと休みだったからいいだろうけど、
俺なんて、わざわざ有休取ってまでここにいんだからな。勘弁してくれよ。」



俺の貴重な有休が…と項垂れるシリウスにも構わず、ジェームズは早速会議開始だと身を乗り出した。
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