第3部

□第24の枝 親馬鹿会議inホグワーツ
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 「じゃあまず、この作戦の目的を知らない馬鹿がいたら困るから、最初に明言しておくからね。」



まあ、そんな馬鹿いないだろうけど…みたいな顔でジェームズが集まった5人の顔を見渡す。

ハリーは知ってて当たり前という顔をしており、シリウスは残念ながら知っている顔、
ロンとハーマイオニーはなんとなく想像はつくという顔、トンクスはなんじゃそら?みたいな顔をしていた。




 「この会議の目的は、3日後に迫ったクリスマスダンスパーティーなんていう恐ろしいイベントにおいて、
僕の天使、アナベルを下心満点の男どもから守るというところにある。

それを、きちんと承知しておいてくれ。」


 「「「「……………。」」」」




ああ、やっぱりかとロンとハーマイオニーが頷き、ハリーは早々に難しい顔をしている。



 「でも、父さん。手紙でも報告したけどさ、戦いはもう始まってるんだよ。
ダンスパーティーのパートナー探しは、だいぶ前から始まってるし。」


 「あ、そうだ!僕も早く何とかしないと!」



ハリーの言葉に、ロンが見当違いなことを思い出す。
そんなロンをごつきながら、ハリーはため息をついた。



 「もう3日しかないし、毎日毎日アナベルを誘いに来る連中の数が多いんだ。
まあ、全員もれなく撃退はしてるけど。」


 「さすが僕の息子!」



ジェームズが拍手する中、ロンは微妙な顔をして、あることに思い当った。



 「もしかして………シェーマスが医務室送りになったのも、あれハリーの仕業?」



まさかと聞けば、あっさり頷く丸眼鏡の友人。



 「そうさ。一応何度も忠告したんだけど、懲りないみたいだったからね。
よっぽどダンスが好きなんだろうと思って、ステップ踏まなきゃ歩けないような呪いをかけてみた。」


 「むごい!!」



どんまい、シェーマス!

気の毒な友人の冥福を祈りつつ、ロンはトンクスにならってテーブルの上のお菓子を摘まんだ。
だって、まともな神経ではとてもやってられない。

ロンがしみじみそう思っている間にも、
親馬鹿ジェームズ・ポッターは真剣そのものな顔で、うんうん唸っていた。



 「どうするべきかなぁ…パーティーまであと3日なんだし、
この際、アナベルをどこか安全なところに隔離するとか。」


 「いや、それ、下手したら誘拐になりかねないから、やめてくれ。」



すかさず口を出すシリウスに、
この人は一応最後のブレーキ役としてここにいるのかと、ロンとハーマイオニーは悟った。
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