番外編話し集@

□デート日和のある日
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そして、次の日。





 「で、なんで、僕らがおまえに付き合わないといけないんだよ。」


 「まったくだ、この長期休暇に!」


 「いいじゃん、兄貴たちどうせ課題もやんないんだし、面白いこと好きでしょ?」


 「「そりゃ、好きだけどさ!」」





と見事に声をハモらせたのはジニーの2つ上の双子、フレッドとジョージ・ウィーズリーであった。


3人はなぜか、ホグズミードの駅の物陰に隠れるようにして固まっている。


朝からこの妹に、アナベルウォッチングをするからと謎の宣言を受け、
ここホグズミードまで連れて行けと、それはもう煩くせがまれ、とうとう折れてこうしてやってきた次第だった。





 「あのなぁ。俺たち、そりゃ面白いこと好きだけども、
ハリーの妹とドラコ・マルフォイのデート見て、何が楽しいんだよ。」


 「そうだよ、むしろリア充爆発しろって感想しか浮かばないよ。」





無理やりなんとか連れ出すことには成功したが、予想通り双子はぶーぶー言っている。

ジニーはアナベルが乗る予定の列車がそろそろ到着する頃かと駅の時計を見ながら、だってさぁ!と声を高めた。




 「気になるんだもん!
アナベルたちってば、いーっつも森の中でしかデートしないんだよ?何か理由があるのかも。」


 「微塵も気になんねえよ!;」


 「単に、アナベルが動物好きってだけだろ。」




えー!と口を尖らせるジニーを見ながら、これなら家で悪戯グッズの開発に力を入れておくべきだったと、
双子は妹の我儘に負けた自分に呆れてしまった。


と、その時、来た!というジニーの声にかぶって、列車の轟音が響き、ホームに列車が滑り込んでくる。




 「ちゃんとアナベル見つけてよね!」




見失ったら、意味ないでしょ!とジニーに言われ、
ここまできたら、妹の要請に従って恩を売っておくしかないかと双子も腹を括った。


とはいえ、ただでさえ、ホグワーツが休暇中で、
しかも今日は週末に当たるせいか、次々に降りてくる乗客たちはかなり多い。

見つかんねえ!と双子が焦り始めた時、ジニーが目敏く、いた!と小声で叫び、双子のパーカーを引っ張った。





 「あそこ、あそこ!」





と指さす先には、確かに一組の男女。

人ごみの中でも珍しいミルクティーブラウンの髪の少女は間違いなくアナベルで、

華奢な少女は、黒地にダリアの花が散ったワンピース姿、
日焼け防止の為か、白いフード付きのパーカーを羽織っていた。

その横には、黒いジーンズの上にシャツを着たブロンドの少年、ドラコ・マルフォイもいる。





 「へー、意外にラフな格好もすんだな、あの坊ちゃん。」


 「何着てもお洒落に見えるから腹立つよな。」


 「2人とも、見失っちゃうじゃん!早く!」





僻みにしか聞こえないことを言っている双子を蹴飛ばしながら、
ジニーは慌てて駅を出て、ホグズミードの村へと入っていく2人のあとを追った。


ホグワーツ生でも高学年にならないとあまりホグズミードに縁はなく、
来るとしても、こうして休暇中に限られるせいか、アナベルはしきりに周囲を見回しながら歩いている。
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