番外編話し集@

□デート日和のある日
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 「ねー、アナベル!いいものあげる!」


 「?何、ジニー?」





いいもの?と小首をかしげるのは、たっぷりとしたロイヤルミルクティー色の髪をした華奢な少女。


対する赤毛の少女、ジニー・ウィーズリーはホグワーツの長期休暇中、
たまにはとアナベルの家に遊びに来ていたのだが、

去り際に、友人にいいものと称したチケットを2枚手渡した。





 「なぁに、これ?」


 「猫カフェって知ってる?」


 「ああ、マグルの間で流行ってた猫ちゃんたちと遊べるカフェでしょ?」


 「そうそう、それのね兎バージョン!兎カフェがホグズミードにできたんだって。その割引券。」





アナベル、動物好きでしょ?と言えば、案の定、大の動物好きで、
同時に動物にも好かれまくっている少女は、ぱぁっと見ている方が幸せになりそうな笑顔になった。


チケットには、白やブラウンのウサギのイラストが描かれていて、
呪文で、チケットの端から端へとぴょんぴょん飛び跳ねている。


バニーカフェと書かれた名前だけをみると、如何わしい店と誤解されなくもないが、
きちんとした店のようで、ハニーデュークスの少し先に新しくできたらしい。

アナベルは熱心にチケットの裏に書かれている概要を読みながら、わぁと声をこぼした。





 「素敵!ウサギと遊べるの?」


 「そうよー、いっぱいいるんだって。
兄貴がね、この前ホグズミードに行った時たまたま貰ったらしいんだけど、行かないからってくれたの。」


 「ジニーはいいの?」


 「だって、休暇中ホグズミードに連れてってくれる気の利いた兄貴なんていないもの。
アナベルなら、ドラコ・マルフォイがいるじゃない。」





2枚あるし、折角だから2人で行ってきなさいよとジニーは勧めた。





 「前から気になってたんだけどさ、なんでいっつも森の中でしかデートしないの?」


 「別にそうでもないわよ?コンサートとか行くし。」


 「でも、ダイアゴン横丁とか、ショッピングとか行かないじゃない。」





もう、ラスボスとも言えるアナベルの兄ハリーやジェームズ・ポッターにも知られている仲なのだし、
(認められているかどうかはともかくとして)

人目を気にする必要はなさそうなのにとジニーは不思議だった。


アナベルはあまり自覚がないらしく、そうかなぁと首をかしげている。


この少女を思いの外大切にしているあのスリザリン生のことだ、
アナベルがショッピングより動物と過ごす方が好きだとわかっての行動かもしれないが、

何か他に理由でもあるのだろうか?



俄かに気になったジニーは、たまには街中でデートもいいじゃないのと勧めてアナベルにチケットをあげてから、
早速、明日ドラコ先輩を誘ってみると喜んでいる友人の行動をちょいと覗いてみようかと思ったのである。
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