アシタのセカイ
□オモイデとジカク
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「どうして泣いてるの?」
『!』
幼稚園の頃、大好きだった芸能人の"アスカ"が引退してしまった。
ショックで、悲しくて、私は公園で1人泣いていた。
その時に声をかけてくれた同い年くらいの男の子。
顔はハッキリとは思い出せないんだけど、でも……
「泣かないで?」
『あ、ありがとう……っ』
差し出してくれたハンカチと、私の小さな胸が高鳴ったことは覚えてる。
忘れられないの。
この気持ちはーーーーー
「ふぁあっ」
「ケース、欠伸癖になってるぞι
」
「いいんでイ。オイラはずっと欠伸をして生きる」
「そんな決意いりません!ι 」
毎日のようにアスに会いにくる1つ下のケースくん。
金に染めた髪に、ピアス。それに首や腕にもアクセサリー。
違反しまくりで怖そうなんだけど、見た目はカッコいいし、割と気さくな子だからファンが多い。
「オフェ、また見過ぎだよ」
『Σハッ////』
……私もその1人だったりするんだけど。
でも、それだけじゃなくてね?
「なんで学校なんてあんのかなぁ……面倒臭ぇ」
「そんなこと言うなってι 」
なんとなく、雰囲気……かな?
あの人と、すごく似てるんだ。
「ほら、チャイムなるぞ!教室戻れ!」
「えー……あ、オフェさん、アスくん説得して下さいよ」
『ほぇ?!あ、アスっ!もうちょっとくらい……』
「ダメです」
「『えー……』」
「"えー"じゃない!!ι 」
気になったきっかけはあの人に似てるからだけど、彼を見てるとドキドキするし、あの時と似た感覚になる。
きっと私は彼のことが……
オモイデとジカク
伝える勇気なんてこれっぽっちもないけど、それでも想っていたいの。
(アスくん固ぇな)
(本当だよね!そんなんじゃモテないぞー!(笑))
(ほっとけ!ι )
(。-_-。)