木初高校男子バレー部!
□明日も放課後、図書室で
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「名子くん!私……好きなの!」
放課後の図書室、急に同じクラスで図書委員の柳さんが言った。
一瞬意味がわからなかったけど、その子の目線を見てすぐに理解した。
『俺も好きだよ』
「!ほ、ホントに?!」
『うん!おもしろいよね〜、"月下紫朗"!よく読むんだ〜』
「は……?あぁ、そうなんだー……ってバカ!!」
『Σえぇ?!って図書室で大声出したらダ「うっさいボケ!!」Σえぇ?!』
訂正、理解できていなかったようです。
『ご、ごめんなさい……』
「はあ、もういいよ。名子くん帰りなよ。部活あるんでしょ?
『あるけど、自分の仕事をちゃんとしてから来い!って言われてるから』
「ふーん……名子くんは真面目だねぇ」
そういうと、彼女は俺から視線を外して周りを見渡す。
「仕事ないよね。人いないもん」
『そ、そうだね……みんなもっと利用してくれればいいのに……』
昼休みならそこそこ人が来るけど、わざわざ放課後に利用しようとする人は少ない。というかいない。
「……だから、もう帰りなって!あと鍵閉めるだけなんだし!」
『う、うーん……でもさー……』
「何よ?」
『せっかく柳さんとお話できるのに、帰るの勿体ないかなーなんて』
俺と柳さんは正反対のタイプだからここでくらいしか話さない。
最初は苦手だったけど、案外気の合う人だなと今は思う。
ふと彼女の顔を見ると真っ赤になっていた。
お、怒ってる?!
『ご、ごめん!そうだよね、柳さんは俺と話しててもつまんないよね!』
「……はあ?そうだね、つまんない……と、最初は思ってたのになんで……////」
『えっ』
もしかして……
「……何」
『わかった!やっぱり俺も好きだよ!』
「はあ?……ちなみに、何が?」
『ニコッ 柳さんとお話するの!』
「!////」
そうやって話してるうちに時間がきて、俺は結局柳さんと一緒に図書室を出た。
「はぁ、じ、じゃあまた明日////」
『うん!』
明日も放課後、図書室で
((あ、名子さーん。お疲れ様でーす))
(カズ、ちづ!おつかれっ)
(?何かいいことありましたー?)
(え?!)
((いつもより嬉しそうでーす))
(……ニコッ ないしょ)
忘れていた名子さん。
やはりまとまらないんだなぁ(笑)