木初高校男子バレー部!8

□自己中で、ワガママで
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李駿に恋人が出来ました。




え?いや、私じゃないですよ?


李駿の恋人は高校からの知り合いで、大学も同じ学部の派手な女の子。


あの李駿についに彼女が!!と、喜ぶべきなんだけど……無理。




だって、好きになっちゃったんだもん。




『お……おめでとう!!』




やっとその言葉を絞り出して、私は李駿と李駿の恋人を見送った。


哲さんの時もそうだったけど、好きな人が他の誰かを好きって事実は相当堪えるな……




私は自惚れていたんだ。


李駿も私の事を好きなんじゃないかなって


李駿の恋人になれるのは私だって


これからも李駿は私の隣にいてくれるんだって




考えれば考えるほど苦しくて悔しくてもどかしい。




『(嫌だな、このモヤモヤ……)』




スマホの連絡先を見る。


この時はイライラしてて、どうしても気持ちを吐き出したくて


ダメだとわかってるのに、逃げたい一心で電話をかけた。




『もしもし、今から会えないかな……え、えっとね、会いたいの』




困惑してたみたいだけど、「わかった」って言ってくれたから待ち合わせをして電話を切った。







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