木初高校男子バレー部!6

□お前らしくて
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「……」




珍しくソワソワしとる昴。


休憩になる度にスマホを見ては置き、見ては置きしとる。




『そんな気になるんなら今日くらい休めばええやないか』


「!いや……バレー優先やって決めたから」


『でも気になるんやろー?』


「!もしかして、プレーに出てたんか?」


『いや、プレーはいつも通り完璧やで。なんでそんな切り替え早いん?ってくらい』


『ならええやないか』




俺と会話しながらもチラチラとスマホの画面を見てる。


なんでこんなに落ち着きがないかって言うと




「あーもー!俺らの気が散る!!頼むから行ってくれ昴!!」


「!嫌や。練習させて下さい」


「こっちが気になって練習どころじゃないんだよ!!」


『ホンマになぁ(笑)』




今日は出産予定日。


昴と昴の嫁さんの子供が産まれて来る日。


なのにこの夫は……いや、この夫婦はバレーバカや。


こないな時まで練習試合でもない普通の練習やのに優先させてる。




「……産まれたら連絡来るんで大丈夫です」


『ほなチラチラ画面見るのやめよな?マナーモード切っといてええから電話来たらわかるやろ?』


「電話やない」


「『え?』」


「休憩以外やったら邪魔になるから言うてLI〇Eする言うてた」




ああ……どんだけバカやねんコイツら……




『初めての子供やで昴。奥さんも1人で不安やろ。傍にいてやりたい思わんのか』


「俺がバレーしてた方が落ち着くんやて」


『あんのバレーバカで昴バカっ!』


「ヤッチ落ち着けι そうは言っても……なぁ?」


「うんうん。旦那さんには傍にいて欲しいだろうなぁ」




もう練習どころやない俺達は昴の説得に入る。


しかし、昴の態度は変わらず




「ほな、再開しましょ。少し休み過ぎたわ」




そう言うてボールを持ってコートに入ってしもた。


もうスマホの方は見てへん。


ホンマ、なんちゅーか……




『昴らしいわぁ……』


「ホントにな……」


「……さ!本人があんなに集中してんだ!俺達も集中するぞ!」


「『おー!!』」




やっぱり昴は変わらんくて、


頭空っぽにしてバレーに臨んでる所を見ると


なんちゅーか








お前らしくて




変わらん姿にちょっと、ホッとすんねんな。




(今日の練習はここまで!お疲れ様でした!)
((お疲れ様でした!!))
(!まだ連絡来とらん……お先に失礼します)
(おー!早う行ったりやー!)






設定自体は「っぽい!」って思ったけど、文章にするの難しいなぁ

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