オリジナルSS

□浅田物語A
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出会いは、とある合コンの帰り道。




『はぁぁあ、ホント最悪だぜ……』




今日の合コンは失敗だった。


同期の彼女が勤める居酒屋を選んでしまって、軽い修羅場があった。


親友は悪ノリしてその彼女に手を出すし。


同期は切れるし。


女の子達は怒って帰っちゃうし。


散々過ぎて、記憶に残るレベル。


気晴らしにふらふらしてた。




そしたら、女の子が1人で俯いてベンチに座ってる所に遭遇。


こんな遅い時間に、1人で?不用心だな……


なんて思っていたら




「グスッ」




え?泣いてる?




『あのっ』




思わず声をかける。


彼女は少しビクッとして顔を上げた。




瞬間、呼吸が出来なくなるくらい息が詰まる。


今までに会った女の子の、誰よりも綺麗。


声をかけた立場なのに、見とれてしまった。




「……?」


『あ、えっと……』




そこから、探り探りお喋りを続けていく。


彼女の名前は丸井彗。


皆には丸ちゃんって呼ばれているらしい。


そんで、つい先程どうやら失恋したらしい。


時折見せる、寂しそうな悲しそうな笑顔を見るとこっちまで泣きたくなる。


俺に何か出来る事はないかな……




考えて考えて、考える。



初対面相手に何やってんだろうな。


気持ち悪い、かな。


でも思ってしまったら止まらないんだ。





『する?合コン!!』




例え、くっだらない事しか思いつかなくても




「!はいっ幸成くんと飲むの、楽しそう」




笑ってくれるなら、いいや。







それが一目惚れだって事に、


俺は帰宅中に気付いた。







続く☆

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