オリジナルSS
□吉良物語@
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吉良えみり、25歳。
私は幼い頃から周りに「可愛い」と言われながら育てられた。
でもいつからか「顔が可愛いと得だよね」と言われ始めた。
そんな事ない。得なことなんてない。
「吉良さん、このノート持ってきて貰えるかな?vV」
『(当番じゃないのに……)』
「吉良さんのこと、ずっといいなって思ってて……俺と付き合ってみない?」
『(ずっとって、話したことないじゃん……)』
「吉良、次の営業先の社長はこの髪型が好みだから。絶対してこい」
『はあ……(なんだそれ)』
どんなに頑張っていたって顔しか見られないんだよ。
努力したって、「可愛いから」で片付けられるなんて悲しいじゃん。
そんなの
『飲まなきゃやってられっかーい!!』
「「藩゙クゥッ」」
散々言われ続けてきた反動か……
可愛い見た目とは裏腹の、豪快な性格になっていた。
「あ〜あ、吉良は黙ってれば可愛いのに……」
「ホント、その性格じゃ彼氏とか無理じゃん?(笑)」
『見た目だけで寄ってくるような男はいらん!!そうだなぁ……彼氏にするなら、一緒に飲んでて楽しい人がいい!!』
一時彼氏が出来ても「見た目と違う」だの「思った人じゃなかった」だので振られる私。
ま、軽いノリで付き合う私も良くないのかもしれない。
そんな私は
まだ、本当の恋を知らない。
続く☆